やわらかもの・かたもの

2018/09/27


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これは、生地の風合い(手の感触)が、柔らかい・硬いを総称した呼び名です。和服では、白生地を染め(後染め)し、そこに模様を描く後加工などが施された生地を「柔らかモノ」と呼んでいます。外出着に使用される縮緬地などが代表です。これに対し、糸の状態で染めて(先染め)から布に織り、図柄はその織工程時に作られる生地を「硬モノ」と呼んでいます。日常着として使用される粗野な紬生地などが代表的です。

同じ日に、陶器のウエッジウッドの展示販売会と、知り合いの陶芸家の作陶展を拝見する機会を得ました。これらは、まさしく和服と同じ「柔らかモノ」「硬モノ」のイメージでした。

「柔らかモノ」に代表される友禅染めのような花々の手書き模様が陶器に施されたウエッジウッドは、とても繊細優美で洗練されています。気高く美しい上質なウエア(食器)は、 “英国女王様のお気に入り”でもありウットリ~~します。TPOに合わせて、テーブルコーディネイトが遊び心を演出しています。バイオリンを奏でるティータイム、風情のあるお月見のセッティングもありました。ピクニックにも。なんともリッチな王侯貴族の生活、室内装飾は間違いなくトータルコーディネイトですね。

かたや粗野で力強くドッシリとした風格の陶器は、田園風景や農民のイメージです。素材を活かしたシンプルなお料理や、野に咲く草花と相性が良いです。厚みのある重たい陶器が似合う室内は、素朴な単品の木製家具が並んでいそう。

食器も衣服も、その環境に合わせてデザインされてきました。気候だけでなく、室内外の空間、天井の高さや広さなど、そして貴族や農民の生活に合わせて。空の色、風景や建物の色、室内装飾の色など。

いにしえのように和服を着なくなり、タンスに眠っている和服が「お荷物」になっている現状ですから、陶器なら毎日使えるのにな~と思う方もいらっしゃるかもしれませんが。

世界に誇る日本伝統工芸の高級絹織物・和服は今や非日常品、それをいかに日常的に利用するか?が私の使命です。お客様は、どのようなTPOで生活されているのか?1回でも多く着用するには、どんな工夫が必要か?そして、飽きの来ない品格のあるデザインにすることがポイントです。日本文化の一つを将来に伝え残こすためには工夫が必要と痛感します。「柔らかモノ」も「硬モノ」も!