アンティークは永遠に

2020/02/27


                           

“魂のピアニスト”フジコ・ヘミングさんのNHK番組「ファミリー・ヒストリー」2月24日放送分をご覧になられた方いらっしゃいますか?(再放送は、2月28日の金曜日午前0:55、木曜日の深夜)

遅咲きの60代になってから人気となったピアニスト。番組中、フジコさんの演奏がBGMとして流れ、一層心が揺さぶられました。大阪生まれと知り、親近感も湧きました。お母様・ご本人とも数々の苦境を乗り越えられたのは、自分を“信じる”強い精神力で、たやすく真似できるものではありませんでした。自分を活かすこと、それは人を喜ばせることに通ずると信じて。

ほんの短い時間でしたが、お母様(?)の形見の着物を身に着けて演奏されている映像を見たとき、その着物に釘づけになりました。おそらく花嫁衣裳で、この時代の特徴である大きな紋が黒地に映え、とても印象的でした。池田重子コレクションにも、この時代のアンティーク着物が沢山あり、華やかさの饗宴にウットリすることしきりでした。(群青色振袖)

以前にお客様が同様の着物を持参され、繊細な生地に負担を掛けないようなデザインにリメイクしました。これで、お母様から三代以上永く着用してもらえます。

ここに、次回の海外イベント用に手に入れたアンティークの花嫁衣裳を2点紹介します。

一点目は、お目出度い“つがいの鶴”・松・花が手毬状に集まり、鼓へと伸びる組紐に躍動感がかんじられる迫力のある図案です。

二点目は、平安王朝絵巻。四季折々の“たおやかな”花々に囲まれた御所車。御簾の中には、十二単の姫君が扇で顔を隠して乗っておられるのかしら?と想像力をかきたたせる図案です。モノトーンの色彩で大変エレガントです。

これらの着物は薄くて繊細な縮緬地で、左右対称の絵羽柄は型染め。裾裏の八掛地は、共地に同じ柄を部分使いしています。また、胴裏は、「日本の朱赤」である紅絹(もみ)が定番です。

日本国内よりも海外での評価が高いと思われます。そう“信じて”、素敵なお洋服に変身させます。