桜を愛でる

2021/04/10


奈良吉野の遅咲きの桜も、今年は開花が早い様子。この季節は、そわそわして気持ちが落ち着きません。ニューヨークから「来年は、ぜひ桜を見に日本にいきたい~」との便りに「開花の時期が予測できないので、日程決めが難しいよ」と伝えました。また、カリフォルニアからは「俳句にそそられる~人気TV番組の夏井先生のコメントが素晴らしい~」と。

それで、今回のブログは、桜を愛でる俳句を紹介しようと思い立ちました。

  • 夜桜の 一枝長き 水の上」(高野素十) 夜桜ではないですが、大阪城での写真と着物を紹介します。室内を明るく彩ってくれるピンク地に枝垂桜の着物は、一幅の日本画のようで癒されます。
  • さくら咲き 去年とおなじ 着物着る」(桂 信子)同じ着物を洋服にリクチュール(リメイク)したら、気分が変わります。2019年11月のショーに出展した作品。糸桜の散りゆく様に“はかなさ”を感じます。揺れ動くイメージをデザインしました。
  • さまざまの こと思い出す 桜かな」(芭蕉)大阪城の南外堀側にある庭園の桜。子供時代の入学式を思い出していたら、立ち並ぶオフィスビルで現実に引き戻されてしまうけど、ほのぼした時間でした。
  • 行く春や 白き花見ゆ 垣の隙」(蕪村)大川沿いの満開の桜をフェンス越しに撮影。例年こちら側の桜が早く咲きます。対岸とは種類が違うのかしら?この後の対岸のツツジが待ち遠しい~~
  • 桜花 何が不足で ちりいそぐ」(一茶)生玉神社の八兵衛稲荷神社のお庭。傍にあるお玉茶屋の抹茶盆に花びらが舞い落ちました。鶴屋八幡の桜餅は、葉まで上品な味でした。
  • 雪と見る 桜の上や 月一つ」(子規)※ネットの写真を拝借。今年は、3月29日が天秤座満月でした。ちょうど桜満開の時期で写真のような光景を想像していましたが、濃い黄砂で見たことのないオレンジ色の満月でした。変化する自然の原因を作っているのは、人間であることは確かです。コロナで、海のサンゴ礁も生き返ってきていると聞いています。

昔から季節を愛で楽しんできた日本人。「自然との共存共栄」を真剣に考える必要を気づかせてくれているコロナ。

コロナ禍に 花を満喫 いのちがけ」(北川精美)